不思議の国の杏 


2005年12月末、杏doll第4シリーズが2体発売されました。
「トウィンクルジャズ」と並んで登場したのがこれ、「不思議の国の杏」です。
私は第1シリーズが発売された昨夏からずっと杏のことが気になり、
ほとんど買う寸前までいったのですが、最後でふんぎりがつかず、買いそびれました。
その後、杏は人気沸騰して、当初思っていたように、
発売されてから実物を見てやっぱり欲しかったら買う、ということができなくなりました。

それでご縁がなくなるかなあと思っていたら(私はあんまり入手困難な人形だと諦めてしまうのです)
年末に見たこの「不思議の国の杏」の発売予定告知をみて
ハッと胸がときめき、これはかなり買いたいと思いました。
私自身が2005年の秋から久しぶりに着物の着付教室に通い始め、
週に2回程度ではありますが,着物を着るようになり、
初めて自分で着物を買うようになったところでした(それまでは祖母や母から譲られたものだけでした)
そして最初に私が自分が買う着物として揃えたコーディネイトは
市松の着物に,トランプ柄の帯、アリス柄の半衿…とまさにテーマは「不思議の国のアリス」だったのです。
そんな私の心を読んだかのようなこの杏の今回のテーマに、本当にわあっと胸がときめきました。
迷った末に、ついに予約。
そうして私にとって初めての杏が、シリーズ4段目にして2005年末に我が家に到着したのでした。


箱からしてシンプルな和風で上質な雰囲気。ロゴも渋可愛いです。

 
パッケージングも簡易でなので、人形を取り出すのに苦労がなくていいです。

 
当然のことですが人形は、箱入りの状態で見るのと,完璧に開封して取り出してみるのとでは
印象が違っていることが多いです。
ですからこの時点でかなりドキドキします…もし、可愛いと思えなかったらどうしよう?
実物を見ずして買った場合はなおさら感じる不安です。


お嫁入り道具に不足はありません。

白いイヤーマフは内側が
薄い金色の布です。
それがとても可愛いし、
丁寧だなあと感心しました。
だって基本的には見えないと
ころなのですから。
全体的にこの杏は、見えない
ところにも本当に気配りが行
き届き、凝っています。

このバッグなどは、現実にあれば私もぜひ欲しいくらいのものです。


内張りにも凝っていて、
白地に赤い小さな水玉模様の布がちゃんと張られているのです。
1/6ドールの小物にここまで凝れるとは立派です。
ファンには嬉しい。
この鍵のペンダントが
とっても素敵です。
アリスモチーフって
何でも可愛いですよね。
トランプ、王冠、鍵、
うさぎ、チェス、猫などなど…。
別珍の黒い足袋もまた、
まさに現実で
私が欲しいものの
ひとつ。
寒い冬には暖かく、また足元の
アクセントにもなり
引き締まります。

下駄、可愛いです!
歩きにくそうですが…。
裏をみてびっくり。
こんなに小さいのに、
ちゃんとした杏のロゴいりです〜。
細かい!

 
ネットの画像だけ見てお人形を買う、というのは勇気がいります。
当然ながら、実物と印象が違う可能性が大だからです。
期待が外れたらどうしよう?という不安は常に感じます。
特に杏はわかりませんでした。
ネットで色々画像を探しまわっても、どうも見るたびに印象が違い、掴みどころがない感じがしました。
だからこそ、第4シリーズになるまで購入の決意がつかなかったのです。

けれど不安は杞憂に終わりました。

箱から取り出した杏と向き合った瞬間、「可愛いい…!」と素直に思えたからです。

このお顔、かなり好き嫌いの別れる子だと思います。
momokoのようにたいていの人に好かれる和風な顔立ちともいいきれない、
不思議なバタ臭さがあります。
ヘッドの形自体に特徴があり、細長くてぎゅっと押しつぶしたような、そう空豆チックな型です。
強いていえばTNTバービーに似ているかもしれません。
フランシーをアジアンにして、無情そうに見せたらこうかも、とも思えます。

けれど切れ長に描かれたアイプリント(実は一番の不安要素でした)はすっきりと美しい、
と私には思えました。
顔やボディの硬質な質感も,関節の自由さも私には好みです。
ソフビのベタつきや変色しやすさとは無縁の、高品質の良さみたいなものも感じます。
白肌仕様とのことですが、確かに色白で、ほんのりさした頬の色がとても可憐。
ぽってりとした唇の形と色も素敵です。

 
髪もとても滑らかで美しく、私が大好きな姫カット。
その上、着物が大変好みです。
現実にはもうけして私が着ることはできない色柄デザインですから、
それだけに大変夢を感じるのです。
袖の振りも少し長いのかな?そして袖口にレースがこぼれているのがゴスロリちっくでいい。

 
帯は別珍風で、リボン様の作り帯。カギホックであっさり止めたりはずしたりできます。


中はどうなっているのでしょうと見てみて,再びあっと驚きました。
この長襦袢の愛らしいアリス柄…これと全く同じ布で色違いの黒地のものを、
実は私は先月大量に買い込み、半衿と半幅帯を自ら作ろうとしているところだったからです。
まさに、私が自分で着たい着物のイメージと重なっていたと言えるでしょう。

  
綿レースの半衿も、夏になったら私もぜひ実際に試してみたいと思っているものです。

ちなみにアームバンドはこうなっていました。腰に補正パッドもついていて感心。


あでやかに、そして可憐に装う和風アリスの杏。

 
まさに、
お着物とお人形の両方を大好き(しかもアリス好き)な人達が、
私のような人間のために作ってくれたお人形、と思えます。


こんな杏にドレスを着せてみたらどうなるかしら?と思うのは当然のことでしょう。

アリスそのもののドレスを着せてみました。
赤でやってきた杏に綺麗な青も試してみたくて…結果は大正解。
可憐でミステリアス、ドレスも似合います。

 
さらにこんな過激なゴスロリドレスさえも着こなしてしまえる杏。
凛として意志のはっきり強そうな美少女ぶりが、水際立って清々しい感じすらします。

 
ちなみに附属の結び帯、半幅帯に見立ててとりあえず文庫結んでみました。
可愛いですが、でもこの帯だけなぜか力尽きたようにちゃちな印象(^_^;)


とにかく買ってよかった、満足できました。
杏も大撮影大会にお疲れ気味ですが、まだまだ着せ替え様、
そして写真の写し様ではもっともっと可愛くお見せできる人形だと思います。


いろんな可能性を感じさせてくれるお人形…
着せ替え人形コレクターにとって、それはとても望ましいお人形ではないでしょうか。

(2006.1.8)