2004年4月28日(水)
娘の学校が創立記念日でお休みである。それがどういうことか気付いて憮然としてしまった私。渋谷のロゴスギャラリーへ、今日発売のmomokoを買いに行こうと密かに決意していたのがダメということなのだ。病み上がりの娘はいつもより数段色が白く、目の下に微かなクマがある。それでも今日は午後からお友達のお誕生日会にお招ばれしているのをとても楽しみにしていて、万が一にも体調を崩さないように、幼いなりに自分でも注意しているくらいだ。渋谷まではバスで1本、ただし40分かかる。行ってどれくらい並ぶことになるか。しかも息子の幼稚園のお迎えまであるではないか。それが11時。10時20分までにmomokoを買えたとすればギリギリ帰宅も可能なのだ。私一人ならその予定を決行するところだけれど。青白い娘の顔をみるととてもそうはできないと思った。潔くはなく、がっかりと諦めた。しかもオットに「また人形買うつもりだったのか」といわれ、なぜ私が人形を買わずにはいられないのか答え、ふたたび険悪なムードに…。
ちぇ!と小石を蹴っ飛ばしながら息子を幼稚園に送っていった。暑いくらいの晴天で昨日の暴風雨から台風一過と言う感じ。帰宅して掃除洗濯をしていると急に空が暗くなって来てあららと思っていたら重たい雨粒の音が。庭に干してあった傘をかたづけ、干しかけていた洗濯物をひっこめ、様子をみていたら雷雨になるではないですか。うそ〜!?天気予報では雨の確率10パーセント。それに「ここって山なのっ?」って聞きたくなるようなお天気の急変ぶり。質の悪い陰陽師が呪い合戦でもしてるのかい、といいたくなるようなお天気の中、娘にレインコートを長靴を装着し、息子のコートも持ってお迎えに出かけていくと、またお天気がよくなった。うーん、やっぱり陰陽師か。世田谷だけ局地的に呪われてたのかなあ。
娘は朝から真っ白なワンピースを着せていて、フリルのカーディガンを合わせて、白い靴をはいて、気分的にはかなり盛り上がっており、元気な様子だったけれど体力が心配で、午後の予定を無事にこなしきれればいいけれどと案じつつ、外出しかけたところへオットから電話が。
昼に仕事で外に出てからまっすぐにロゴスギャラリーに並んでもう1時間たつという!!
やっと順番がまわってきたけど、会場限定のmomokoはまっ先にうれちゃって全然ない、ここまできて何も買わないのはあまりに悔しい、お店の人に言ってちょっと外にださせてもらって(ロゴスは地下一階なので携帯電話の電波が届かなかったらしいのだ)お前に相談するんだけど、残っている中では何が欲しい?と聞いてくれる。ふわ〜!!っと心に羽根が生えました。これは夢かしら?
お誕生会は今後の課題かな。どうも順々にみんながやっていくことになりそうだ。とすれば我が家は再来月企画しなければならない。
娘は本調子でないせいか、たまたまのタイミングなのか。私は息子の幼児教室のために途中で娘をお友達宅に残して抜けて戻って来たのだけれど、女の子達のグループのあとを健気にちょこちょこついていってはじっと見てる感じで、活発な子達の眼中にあまりはいっていない様子にみえた。まだ誰かが寂しそうにしていないか気づかえる年令ではないので、こういう事態は誰にでもしばしばあり得ることなのだけれど、分っていても胸がズキン!と悼むのが親心というものである。帰り道、娘は無邪気にとっても楽しかったよと繰り返すのだけれど、本当にそうなのかなと不安になった。私達夫婦は毎日、娘にその日の感想を聞く。私達が一番娘に求めている答えは「楽しかった」なのである。そう言って、と強要したことはもちろんないのだけれど、言わず語らずのうちに娘なりに私達のその気持ちを悟って応えようとしているのではないか、と痛々しく考えてしまう。
というのも、知り合いのお嬢さんにそういう子がいるのである。
少し年上のその子は優しくて頭が良く、御両親は期待をかけ自慢に思って育てていらっしゃる。でも実はちょっとイジメにあっているのだ。そのことを彼女は両親に決して告げないで、一人で我慢しているのを私はたまたま知ってしまったのである。先生に相談し、何よりママにお話するようにと言ったけれど、少女は怯えたように首を振る。
彼女のお母さんは完璧主義者だ。センスよく暮らすことを信条とし、あらゆる点で隙を見せないように最新の注意をはらい、でもそのことを人に悟らせず、ごく当然のことであるように見えるように気を配り抜く程の、完璧主義者である。人に親切で社交的であり、常に色々な人と交流を持ち、役員も積極的にこなす。でも私は彼女が、ひどく見栄っ張りなことに随分早くから気が付いていて、ライフスタイルをあらゆる人と相互比較しては「勝った」「負けるもんか」と思っていることを感じている。賢い彼女はそれを決して口にしないけれど、どうしてもまなざしや言葉の端に出てしまうのだ。彼女の家族は皆いい人で感じがいいのだけれど、接していると必ず、人の学歴、勤務している会社、住所、賃貸か持ち家か、どんな広さの家か、乗っている車の車種、両親兄弟はどういう経歴をもっているか、どこに住んでいるか…こと細かに調査する癖をもっている!ここまでくると笑えるのだが、本当に性格はいい、善人なのは間違いない。ただただ見栄っぱりで、今流行りの言葉で言うと「人生の勝ち組」というものに対する情熱と執念が人一倍強い、というだけのことなのだ。
そんな彼女が母として娘に求めていることは、明るく元気でいてしとやかで気品があり、自然にふるまっているだけで周囲の人に愛されてお友達が集まってくる人気者、という図なのである。
前半部分はその理想通りの女の子だと私は心から思う。でも…人間関係ってそううまく行くものじゃないから……。
まだイジメは小さいといえるのだろうか。彼女がつけていく髪飾りをむしりとる子達。彼女はそれを「運動していたら自然にとれちゃった」とママに告げているようである。
友達に軽んじられ、いじわるされたりするような自分を、親は気に入ってくれないと幼い少女は感じずにはいられないようなのだ。
私はずっとその子のことが心配だ
そんな風に、親の愛と期待が子供のストレスをその体内に封じ込めてしまう例を知っているだけに、振り返ってわが子のことも反省する。
小学校入学以来、幼すぎる娘にあれこれ厳しくたしなめてばかりいたけれど、また少し甘やかしてあげよう。心が脱水症にならないように、気をつけてあげなくては。
オットが本当にmomoko ver.04SSccを連れて帰って来てくれた!
「この子が一番綺麗な顔に見えたから」と。
40人以上の人が並んでいて、彼としては人形マニアはオタクという偏見があったのだけど、とてもノーマルでおしゃれな人がほとんどだったと、意外そうに感想を言うのも面白かった。
ありがとうオット、一気に名誉挽回です〜!!
私の喜ばせ方、簡単でしょう。momokoはお高いから、普段はピンクボックスバービーでよろしくってよ。
欲しかった「ドラゴンクエスト」天空の花嫁」のプレステ2ソフトも買って来てくれて大盤振る舞いのオット。
実は会社の業績臨時収入、一時賞与が出たんです。
これは上からのオットへの評価がもろに反映される恐ろしいもので(オットの会社には社員のランク付けがあり、恐ろしくシビアなのだ)、オットはずっと悩んでいた。昨年の上司とまったく反りがあわず、低い評価をつけられているのは確実だったからだ。現に昔、ある先輩がやはり上司と反りがあわずにいたら、平均5ヵ月分賞与の時に1ヵ月しか賞与をもらえなかったと言う話を夫婦で聞いたことがある。だから覚悟していた。ところがさらに上の上司がその評価を「事実と反してあまりに私見に走り、不当評価である」と判断してもと上司の方の評価をさげて部署をはずし、オットにいい評価を与えなおしてくれたのだ。オットは男泣きした。その勝利の幸せの私へのお裾分けといいましょうか、それが本日のmomokoというわけです。人生いろいろありますね。
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